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中山の住宅 -自邸-

用途    :住宅

住所    :松本市中山

規模構造  :木造2階建

面積    :109.50㎡

施工者      :杢好舎

竣工年      :2022

 

松本市内でありながら、のどかな田園地帯に建つ住宅であり、その一室に”まるさわ設計室”がある。

敷地は道から導入路が20mほども続く旗竿敷地になっているが、南側には田園と山々の景色が広がる集落南端であり、とても解放感がある。

この辺りは東山からの傾斜地であり、住宅を建てると隣の石垣と挟まれる形になるため、圧迫感がないよう平入り屋根としつつ2階はセットバックさせて玄関前に空が広がって見えるように配慮している。

竣工したのが初秋だったため、初めのうちは前の家から引き取ってきた樹を数本植えただけであるが、次の春には植栽を整える予定である。

各部屋は景色が綺麗に見えるように細心の注意と工夫を凝らしてレイアウトしている。特にキッチンとダイニングは朝日が入りつつ最も良い景色が見えるように雁行配置しており、L型の窓からの景色と風通しを確保している。一方、この土地は南風がとても強いため、L型窓のうち南向きはFix窓とし、東向きに木製の開き窓を設けている。デザイン上主要な窓は可能な限り木製にしている。

景色を眺める明るい部分とは対比的に、少し奥まった位置のテレビコーナーは床を一段下げたカーペット敷きにしており、造付けのソファや薪ストーブといったしつらえにより寛ぎのコーナーになっている。

キッチンは人工大理石のL型カウンターに木製カウンターを組み合わせたコの字型の造作キッチンであり、居間やダイニングに面しながら個室感もあるように天井高や仕上げを変えてある。

使用する素材にもこだわりをもっており、左官壁はもちろんのこと、玄関ポーチや玄関土間の大谷石、玄関巾木やハーフユニットバスのタイル、風や光を通したい建具にはめ込んだ籐、古い型ガラスなど、質感や色合いなどが調和してバランスよく見えるようにしている。

構造材は横架材に県産材のカラマツを使用、柱材にはヒノキを使用しており、設計室として使う部屋の内装にもカラマツやアカマツなどの県産木材を使用している。